木質バイオマス燃料について

木質バイオマス燃料の形態について

木質バイオマス燃料は、薪やチップ、ペレットなど種類も多く、さらには同一の種類でも、形状や水分が様々で、品質にばらつきがあるのが大きな特徴です。

木質バイオマス燃料は森林から直接産出する燃料と、木材加工から生じる端材・木屑、あるいは産業廃棄物由来の燃料に大きく二分されます。

生産性の向上について

高性能林業機械の導入

森林由来の燃料用木質バイオマスの利用量を増やしていくには、材の需要や供給能力、素材生産効率を向上させる必要があります。

特に、大規模な木質バイオマス利用設備計画にあたっては、生産性の向上や素材生産事業の規模拡大が必要です。

そのためには、ソフト(担い手育成を含めた林業従事者数の増員、施業集約化等)とハード(インフラ整備(路網・高性能林業機械等)、素材生産システム)の両面を強化していくことが重要です。

効率的な林業経営のためには、生産性の向上が不可欠であることから高性能林業機械の導入が推奨されます。

省力化や労働安全性の向上、労働力確保の面から、林業の中心となる機械として期待され、導入が進められています。

〇林業を支える高性能林業機械(林野庁)
http://www.rinya.maff.go.jp/j/kaihatu/kikai/

集材方法について(全木・全幹・短幹)

集材方法は大別すると、伐倒後にその場で枝払い・玉切りを行う「短幹集材」、伐倒・枝払い後に森林作業道端まで搬出して造材する「全幹集材」、伐倒木をそのまま森林作業道端まで搬出して土場で造材する「全木集材」があります。

集材方法によって林地残材の発生場所が大きく異なります。全幹集材や短幹集材は、林内に残材があり、その集材費用が必要となります。一方、全木集材によって集材する場合は、土場で用材生産する際に発生する残材を用材とともに収集できます。

集材システム別の林地残材発生場所

図の出典:緑のシステム創造事業について 釜石市役所臨時記者会見資料 平成21年12月

施業の集約化

燃料用木質バイオマスを安定的に供給するためには、大面積・低コストの施業を安定的に行うことが必須です。そのためには、施業の集約化を行うことが必要です。

路網整備の加速化

高性能林業機械の活用には路網の整備が不可欠です。林業専用道・森林作業道等の路網の高密度化により木材の効率的な運搬が可能となります。

担い手の確保・育成

大規模利用施設への燃料用材の供給において、地域の素材生産に係る担い手がこれまで以上に必要となる場合があります。

そのため、林業就業者の就労条件の改善と林業事業体の経営基盤の強化、林業就業者育成研修による技術の修得が重要です。

再造林の推進

大規模利用施設への安定的な木材供給のため、森林経営計画の樹立を推進する必要があります。

経済林は法正林化を目指して再造林を行い、非経済林は天然林(二次林)への移行施業を行うことを推奨します。

燃料の配送と貯蔵、搬送について

木質バイオマスを燃料として安定供給・利用していくためには、燃料の配送、貯蔵、搬送が不可欠です。

そのためには以下のポイントが重要となります。

  • 様々な事業者による供給が可能となるよう、標準的な車両による配送を想定した設計とすること
  • 迅速かつ単純な燃料の排出機構により、人件費を抑制する
  • サイロは外からの水分進入を防ぎ、且つ内からの蒸発水分を逃がすものであること
  • 所与の条件に従い、安全に微粉を放出し管理できるものであること
  • 建築基準法や健康・安全基準に即したものであること