ごあいさつ
平素より、当協会の活動につきまして大変お世話になっており、厚くお礼申し上げます。
ご承知のように、2015年のCOP21で採択されたパリ協定では、産業革命前からの気温上昇をできれば1.5℃に抑える努力目標が掲げられ、2021年11月に閉幕したCOP26では世界目標に格上げされました。わが国も2020年10月に2050年までに温室効果ガスの排出を全体としてゼロにすることが宣言され、産業界もその実現に向けて舵を切っているところです。2021年10月に閣議決定された第6次エネルギー基本計画では、2030年に向けた電源構成において、再生可能エネルギーが現在の約20%に対して36~38%と主力電源化され、バイオマスエネルギーはそのうち5/38を担うことになっています。
言うまでもなく、エネルギーは食料と並んで人類の生存にとって不可欠な資源です。持続可能な社会を構築していく上で、光合成を通じて酸素を生みながら、エネルギー源である炭素を蓄えた木質燃料は最適なエネルギーであり、古来より熱利用してきました。日本は国土の65%が森林であり、世界屈指の人工林資源を有しています。木質バイオマス利用は、再生可能エネルギーとして地球温暖化の防止、木材の経済的な価値の向上、森林整備促進による国土の保全、地域内の経済循環と雇用創出など多方面にわたって貢献しています。
木質バイオマス利用は科学に基づかなければなりません。世界各国は科学に基づいて政策立案しています。科学には経済や社会も含まれます。弊会は、内外の最新情報の科学性を検証しながら、木質バイオマスの利用に取り組む関係者にその成果を発信し、啓蒙に取り組んでいます。木質バイオマスが社会に根付き、事業として持続的、安定的に成り立つように努力してまいりますので、引き続きましてよろしくご支援、ご協力お願い申し上げます。
2022年2月24日
一般社団法人 日本木質バイオマスエネルギー協会
会長 酒井 秀夫